こうやって見てみると、ログハウスって×のほうがずっと多いですねえ。
「減点法」ではとても付き合っていけない建物だとあらためて感じてさせられました。
耐久性
 ログハウスの素材となるのは(あたりまえですが)木です。軽くて耐久性に優れた建築素材として世界中で使われてきました。
 高温多湿の日本でも法隆寺が千年以上もの歳月を経て往時のままに現存しているように、素材としての木の耐久性は優れたものです。

蜂の巣のログには日本の気候が育んだ40年生以上の日田スギを使用。 その中でもできるだけ年輪が細かく揃っているもの、きれいな赤芯のものを選んでいます。
木はその樹齢の倍だけ持つと言われています。お客様には80年以上お使いいただきたいと思っています。

×  冬に雨の多いヨーロッパ(*1)とは反対で、日本では「高温期(夏)に雨が多く」、 まさに「腐れが発生しやすい」気候ということになります。
 ですから、いくら素材としての木の耐久性が高くても、使い方やメンテナンスをあやまれば「腐れ」「シロアリ」などが発生しやすいわけです。
 そして壁面材でかつ構造材であるログにとって腐れやシロアリの発生は軸組み工法の場合よりも深刻な問題となります 悪くなったところだけ取りかえるということがかなり難しい)。

*1
 (余談ですが)「冬に雨が多い」=「夏に雨が少ない」=「雑草が繁茂しにくい」ということであり、 「赤頭巾」や「ヘンデルとグレーテル」のような童話のなかでは森の中で遊んだり、花を摘んだりするシーンがあります。 が、それはヨーロッパの気候ならではのことで、(ほっとけば)歩けないほどの草が生い茂げる日本の森ではとても成立しないお話です。

 (さらに話しは脱線しますが)林業の作業の中で一番コストがかかるのが、苗木の成長を助けるために繁茂する雑草を刈り取る「下刈り」です。 ヨーロッパでは雑草が繁茂しにくい気候ですから「下刈り」がいらないことも多いようです。 そこからコスト的な大きな差が生まれてきます(もちろんそれだけでなく作業工程や効率自体の問題も多分にあるが・・・)。 フィンランドログが安い(はっきり認めます)のはそんな点も関係してきているわけです。
耐震性
 ログハウスは木を一本一本がっちりと組上げていきます。また上下のログの組み合わせを確実にする凹凸加工、 さらにカベを貫通する通しボルトなどが高い耐震性能を生みます。

×  もちろんこれも通しボルトの締め増しなどのメンテナンスを怠っていれば、遊びが生まれてきますから要注意ですし、 基礎や屋根なども確実な施工をしていないと家全体が傾いたり、 屋根が飛んだりすることもあります(ログ壁は大丈夫だったけど・・・ では笑い話になりませんね)。
断熱性
 木はその細胞が空気を包んでいるという状態になっています。そのため熱を伝えにくく、内外の熱の行き来を遮る断熱性に優れた素材です。
 そのような特性を持つ木を素材にしているログハウスですから、壁面の断熱性では優れているといえます。(といっても専用の断熱材比べるとずっと落ちます)。


×  しかしログとログに隙間があって空気が通りぬけるようなら、いくらログ自体が断熱性のが高くても家としては断熱性は? となってしまいます。
 もちろん熱の放射は、窓や屋根、床からも行われますから、ログの優秀な断熱性が家全体としての断熱性とは直接結びつかないともいえます。
 というよりも(これは一般の家でも言えることですが)壁よりも窓、屋根、床をどう断熱するかのほうが重要なポイントである場合が多いのです。
気密性
 マシンカットは加工精度が高いので気密性は基本的に高いといえます。

蜂の巣ログハウジングでは最適のノッチの形状を探して、長年試行錯誤を繰り返し、ノッチ加工機を自社開発しています。

×  とはいえ、木は木です。工業生産されたものではありませんから、1本1本の性格は異なっています
 収縮ひとつとっても、その度合いが大きいもの小さいもの、またそれが安定するまでの時間も早いもの遅いものがあります。 また収縮の過程で想像以上にねじれが出るものもあるかもしれません。
 残念ながら1本1本の木の素性を見切りながら加工や組み立てを行うことは(とりあえずは)できません。 ですから組み合わせによっては気密性が悪くなり(といっても、ログとログの間が空いて「向こうが見える」ようなことはありませんが)通気することもありえます。
(だからこそログハウスにおけるメンテナンスは非常に重要であるともいえますね。)
遮音性
 木は音を吸収して遮断する遮音性に優れています。ログハウスの特徴のひとつはその遮音性に優れた木によって壁面全体が作られていることです。 これが外部からの雑音を"吸収・遮音"し、室内に快適な音環境をもたらします。

×  でも音の響き方に違和感を感じる方がいるかもしれません。一般の住宅に比べてログの場合には音が吸収されるまでに「間がある」ような、 最終的には吸い込んでしまうのですが、「ジワー」と吸い込まれていくような感じです。それが独特の響きを生むのでしょうか。
 そのあたりは好みの問題になるのかもしれません。
調湿性
 木は湿度の多いときには水分を吸い込み、乾燥しているときには反対に水分を放出します。しかもそれにはなんのエネルギーも必要としません。
 多湿な日本において、住宅素材として理想的であるといえるでしょう。 またログハウスでは木の占める割合が他の工法に比べて圧倒的に大きい点は大きなアドバンテージです。

×  特になし!?
メンテナンス性
 一口にいうととても手がかかります。

  • 塗装

  •  耐久性を大きく左右するのはなんといっても外壁の塗装でしょう。塗装がはげれば雨がログに浸透し腐れなどが起こることに直結します。 ログの一部を取り替えるのはかんたんなことではありませんから、一度腐れがはいれば建物全体にたいして致命傷になりかねません。 日当たりなどにも関係してきますが3〜5年で再塗装が必須です。

  • 割れ埋め

  •  芯持ちの材には割れが発生します。外側に割れができれば雨がログの内部に入り込んで、これまた腐れの原因になります。 割れはログが安定する築後3、4年間つづきます。その間は絶えずログ壁面をチェックして、シリコンなどを注入してふさぐ作業が必要になります。

  • ボルト増し締め

  •  ログ壁を上から土台まで貫通するボルトは、ログが痩せ(収縮し)て下がっていくのにしたがって緩んでいきます。 ログの収縮は壁高の1〜1.5%(仮にログ壁が3mなら3cm下がる)で、築後1ヶ月でそのうちの50%が、そして残りに50%がその後3、4年間に下がります。 その間は市販のラチェットレンチなどでこまめに増し締めを行う必要があります。

  • 隙間埋め

  •  気密性のところでも書きましたように、いくらマシンカットログの加工精度が高いといっても、原料となる丸太は一本一本その素性が異なっています。 中には想像以上に「暴れる」ログが出て、場合によっては隙間(しつこいようですが、向こう側が見えるような隙間はでませんです)が生じてくることもあります。それをふさいでいくことも居住性を高める上で大切な作業となります。
などなど・・・

×  と、確かに手はかかります。そういった面でログハウスは万人向けのものとはとてもいえません。 でもそれを楽しめる方には(きっと)になるはずです。
設計の自由度
×  ログハウスというと大きな三角屋根を思い浮かべる方が多いかもしれません。(特に日本では)それは建築基準法をクリアする必然から生まれているとも言えます。
 建築基準法ではログハウスの設計に関してかなり細かなところまで決められており、 その中でのもっとも影響の大きな規定が「ログ壁を二階部分に作ってはならない」というものです(*2)。
 そのため二階はあくまでも屋根裏部屋「ロフト」です。その空間をできるだけ広くしようとすれば大きな三角屋根になってしまうわけです。 ロフトは基本的には三角の空間ですからどうしてもデッドスペースが生まれてきてしまいます。

 またログハウスでは、ログ壁面で強度を持っていますから、その開口部の大きさも規定されており、自由な大きさの窓をつけるとういうわけいもいきません。

*2
 日本でも、物件ごとに構造計算を行い申請して認められれば2階建ても可能です。実際に建てられてもいます。 ただその申請のための費用がかなり高価なために、そこまでやろうという人があまりいないというわけです。
 蜂の巣ログハウジングでも残念ながらその経験はありません。 現在ログハウス協会としての動きなどもあるようなので、実績ができてくれば将来的には変わっていくのかもしれませんね。
 ちなみに欧米ではそんな規定はありません。
増改築
×  増改築は難しいところがあります。もちろん可能ではあるのですが、 もとの壁面と完全につないで境目がわからないようにするというご要望にお答えすることができません。
 ログハウスの場合、既存のログ壁面に新たにノッチを作ったり、現在のログを取り替えたりするためには、 家全体をばらばらにしない限り不可能ですし、かりにそこまでしたとしても、 既存のログと追加のログでは収縮の度合いが違うという大問題があります。

〇?  増改築は苦手でも、ばらばらにできますから移築はいけます!?
建築物としての精度
×?  注意しなければいけないことは、ログの加工精度=建物全体の施工精度とはならないということです。
 マシンカットログの場合にはノッチ加工の精度がどんなに高くても、ただ組上げていけば、 必ずログ壁はまっすぐには組みあがらず斜めになっていきます(ほっといてもまっすぐ立ちあがったとしたら、それはきっと偶然です)。
 ログ材は乾燥させていても痩せていくので、一般的にノッチの加工はきつめ方向にふります。つまり組むとき、 のせただけではスッと入っていかないわけで、大きな木槌(カケヤ)でたたきながらはめ込んでいきます。
 その際に柔らかな木は、どうしてもノッチ部に変形がおきることが避けられません。それが斜めになる原因となるわけです。
 正確に加工されたログが一段で 2, 3mm ずれることは普通に起こることと言えます。

 ただ、それは一般の在来住宅の柱でも同じことがいえるわけで、 重要なのことはその後の修正をいかにきちんとおこなうかにかかってきます。
シックハウス症候群
 合板や壁紙の接着材、塗料に含まれるホルムアルデヒド(ホルマリン)等の化学物質が原因となっていると言われている シックホーム症候群がクローズアップされていますが、ログハウスではそういった素材を使用する必要がありません。

×  いくらログ壁がムク材でも、ボード類を使ったら危険性は出てきますね。