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間伐材について最近思うこと。
 間伐材の利用が叫ばれているのは、簡単に言えば、戦後に大量に植えられたスギやヒノキが国産材のシェアの低下とともに使われなくなり、 伐採してよい大きな木が売れないのでお金にならず、その結果、若い森林も手入れが十分行われないまま来てしまいました。 そして、このまま手入れせずに放置しておいては、山が荒廃 (「山が荒廃する」とは何なのかはここではおいておきます)していくばかりといわれており、 その解決の為に「間伐材を使いましょう!」と叫ばれるようになっています。

 その声は広がりを見せているようで、(木に関することをイロイロ手がけてきた)私たちにも、 これまでまったく縁のなかった業界の方から「間伐材を使いたい」とお声がかかりビックリすることが多くなってきました。 これは林業に関わるものとして非常にありがたいことなのですが、 (誤解を放置している林業サイドにも問題があるのでしょうが・・・) 正しい情報が流れていないために、「間伐材であるかどうか」かが過剰に問題とされ、 「間伐材でなければ使わない」ようなニュアンスを感じることもあり、 それはそれでかなり困ったものだと思っています。

 さて、都市の方々との認識のギャップのひとつとして、「材の太さ」があります。 間伐材というと「細いもの」と思い込んでおられる方が多いようなのです。

 しかし、間伐しなければといわれている木が植えられた時には、その伐期(伐採までの年数)は40〜50年に想定されていました。それが売れないもので、段々とながくなり、 80年だ、100年だと言われています。そして今、手入れがされず立派に育ったとはいえないものの、最初に想定していた年数は経っていますから、 間伐材といっても、根元の直径が30〜40cmを超えるものも珍しくありません。

 次に「価格」についてもギャップがあります。 「間伐材=いらないもの=安い」と思われているようです。

 しかし、間伐がすすまないのは、前述の理由のほかに、主伐(最後の伐採)に比べて手間(コスト)がかかるからなのであり、 想像していただきたいのですが、間伐で残した木を傷つけないように、あの長い伐採木を搬出(山から道の近くまでの運搬)するのですから、 伐採時にも、搬出時にも、全部切ってしまう全伐に比べてずっと大変です。

 木材を計算する単位は1本あたりいくらいくら、ではなく体積(m3)で計算しますが、 間伐木は一般的に主伐に比べて1本1本の太さ長さが小さいので、1本あたりの体積は小さくなります。 一方、伐採など1本にかかる作業の手間は、木が大きくても小さくてもそれほど変わりませんから、 体積あたりのコストは上昇します。つまり間伐材は、コストがよりかかる木であるということです。

 「小さくて安い間伐材を使おう」と思って山にきて、 間伐材が「大きくて、より高価だ」と聞いてビックリするわけですね。

 私たちとしては、そこで使うことをやめてもらっては、折角「(間伐)木を使おう」と考えていただいた意味がないのはもちろんですし、 だからと言って、無理に高い価格のものを使ってもらうのも、 結局は将来的に「木は高いくて使いづらいもの」というイメージが広まるだけでマイナスであると考えています。

 さて、丸太は普通、原木市場に出荷されます。そしていまやそこでの価格は外材に比べても安くなっています。 その市場なら、希望の大きさの材を集めることも無理なことではありません。 ですから、「間伐材じゃなきゃ」というところをはずしていただいて、 市場の木を使っていただけないものかと考えるのです。

 前述したとおり、手入れが不十分になった理由は「木が売れなくなった」ためです。 根本的に問題を解決するためには、 「伐採出来るまでに育った木が(ある程度の値段で)売れ」ればよいわけです。 自ずと間伐は進んでいくでしょう。

 もちろん、国産材のシェアが20%を切って、全てが輸入材を中心としたシステムが出来上がっているので、簡単に需要が価格が上がるまでに増えていくことは考えられませんが、 地道に国産材を使うルート、システムを作っていくことだけが、 (輸入制限のような無理のある方法より)林業を取り巻く状況を変えていけるのではないのだろうかと思いますし、 そしてその中で自然と間伐が進んでいくことが理想です。

 蜂の巣としては、そんな流れを作るための(ほんのちいさな)一助として、お客様が木を使うことへのお手伝いが出来ればと考えています。


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